Hinako Journal

ヒナコ・ジャーナル(Over50な妙齢のヒトリゴトやオモウコト)

今を生きる

同僚との「おはよう」のあとに続く言葉が「なんか疲れがとれなくない?」から1日が始まる。かつて両親やご近所のかたたちが日々足腰が痛いと言っていたことを不思議に思っていたが、私がこの年齢になってその気持ちがよくわかる。私自身はいつまでも20代の気持ちを持っていると思いながらも、記憶力の低下や、頭の整理速度が下がっていることを感じる。それは頭や心もそうだが奥に隠れている髪が束となって白髪になっていた。それなりに若々しく生きようと努力をしているつもりだがそれでもこの程度なのかとがっかりする。

そういいながらもこの年齢になったことを嘆いているわけではない。

普段絶対という言葉を使いたくないが地球上にいる限りは時が戻ることは絶対にない。そのことを嘆いても何も解決しないのであれば、楽しく生きていくが正解なのだろう。ただ改めて楽しいことをするというのは案外と億劫で勇気がいる。もちろんそれができる人はたくさんいるしそういう人のことを賞賛し応援したいと思う。私はその一歩を踏み出せていない。まあ仕事が嫌だとか文句をいいながらも日々楽しく生きている。この歳になって思うのは喜びや楽しさは刺激から穏やかさへ変化しているのかもしれないということかもしれない。

60歳を意識するようになった。今まではとても遠くに見えていたはずなのに気がついたら目の前にある。今の仕事を続けていくにも雇用形態が変わり給料が減ることは確実で、退職して第二の人生を考えるといっても簡単ではない。残りの人生を生きるためには現実的にはお金が必要であるが、息子が社会人になったのであとは私自身のことだけ何とかすれば良いため案外と楽観的に思っている。世の中そんな甘いものではないのだろう。正直にいうと今のことしか考えられず1日を乗り切ることで精一杯で、ただそれが辛いわけではなく夜になると1日がんばったと達成感のようなものを感じている。それはそれで幸せだったりする。先のことを考えることは必要なことであるが、それ以上に今を大事に生きることのほうが大切かもしれないとも思う。それは今がよければいいというわけではない。でも今を大切に生きれば未来はその積み重ねではないかと思う。

そんな未来はきっと幸せなんだろうと心から願うだけ。